2020/04/06『オンラインで自己研鑽』

このブログシステムの今週のお題「オンライン」だそうです。考えてみれば、私は常にオンラインの生活です。

オンライン……この状況下においてつくづく思うことがあります。それは「多趣味でよかった……」ということ。特に「モノを作る」という趣味ほどの自己研鑽はありません。スポーツや瞑想もそうだ!とおっしゃる人も多いのですが、作るとは「カタチにする」ことであり「カタチを遺す」ことなのです。ということは、過去の作品と今の作品を見比べることが出来るのです。

私は僧侶のかたわら、仕事として土人形や張り子など「作る仕事」をしています。趣味はプラモデルやフィギュアなどの「模型」です。作らない人や不器用な人には「よくやるねぇ……」と呆れられます。パティシエが休日にも趣味でお菓子を作って食べている……そんな言い方する友達もいましたw たしかに眼も疲れるし、肩も凝るし、神経もすり減りますが……でも楽しいのです。

私の場合、仕事上でのモノ作りは「リアルを曖昧な表現をする」ことです。例えば、実在する運慶の仏像をいかに簡略に親しみやすいカタチにするか?を追求しています。一方、趣味のモノ作りは「空想をリアルに仕上げる」ように心がけています。アニメや特撮、SF、ミリタリーなど実際には見たこともないものを空想でカタチにしていく。

この正反対が絶妙に楽しく、そのお互いがそれぞれの作業に活かされているんです。たいへんな状況下で行動は制限され、ストレスを抱える人が増えていると云います。でもよくよく考えたら、ネットも繋がるし、在宅で出来ることは山のようにあります。

プラモ歴45年の私から見れば、造型作品を瞬時に地球の裏側の人にも見てもらえる時代なんてくるとは思いませんでした。お互いの技術をオンラインで交換し合えるなんて夢のまた夢だったわけです。でもこれが実現できているのです。

この騒動から、私は「モノ作り」をしている人と多く繋がるようになりました。政治や不安、励まし合うようなSNSは見なくなりました。モノ作りをする人間はただただ自身の技術を上げること、しかも悲壮感なしに楽しんで完成させることのみに没頭しています。楽しみながら上達する……これが最高の自己研鑽だと思うのです。