2020/02/13『ぼやきと耕し』

野村克也さんがお亡くなりになりました。いま改めて振り返ると「偉大だったなぁ……」とつくづく思います。

私は文章の書けるスポーツ選手が大好きで、その中でも『野村哲学』は野球だけではなく、人生においても役立つものが多かった。その点でいえば、落合さんや桑田さんなども哲学がしっかりしておられます。

私が最初にプロ野球を観戦したのは倉敷市営球場でのオープン戦で「南海VS阪神」でした。また高野山南海電鉄なしでは語れない立地なので、大阪球場にはよく遊びに行ったものです。本山と野村さんとのつながりは太かったと記憶していますし、お母様に対する愛情、そしてそこからくる信心は下手な説法よりホンモノでした。

自らを月見草とたとえ、どうひいき目にみてもセ・リーグ人気に劣るパ・リーグでの大活躍。どんなに実力があっても人気にはかなわないもんや……とよく口にされていました。

今では実力のパ・リーグということを毎シーズン見せつけられますが、これも野村さんが引き上げたものだといっても過言ではないでしょう。また当時、低迷を極めていたタイガースの監督を引き受けて「貧乏くじを引いてしまった」とぼやき、3年で結果を残すことなく降板しましたが、その翌年から星野阪神としてタイガースは急浮上しました。
それは野村さんの種まきがあったからこそ……これは星野さんの談話です。モノの見方はその時だけではなく、農業と一緒で耕し、失敗を繰り返して、根付くものだと教えられたこのエピソードをもう一度振り返りたいと思うこの頃です。心よりご冥福をお祈りいたします。至心拝