2020/04/01『内に向けて楽しむ』

法務を除いて、外(境内の外)に出ることを控えています。ラジオの仕事は仕方ありませんが……。

当面、県外の法話会や講演はなくなったので、ずいぶん気持ちが(良い意味で)緩んで、原稿を書いたり、サイトを追加したり、土人形を作ったりしています。あとは趣味のプラモデルの製作ですね。

便利な時代で、材料や工具は街にでて探すより確実にネットのほうが見つかるし、注文した場合は迅速に届きます。素直に「すごい時代だなぁ……」と感心しています。

私は子供の頃からプラモデル小僧でした。小二くらいからずっと作っています。本業の製作があっても、休憩時間にはプラモです。それはお菓子好きなパティシエがおやつにもお菓子を食べるようなもので、周囲は驚きますが、ここで本業の新たなヒントや発見があるんです。

お坊さん以外の本業は創作作家です。墨画や切り絵、版画、それから張り子や陶芸をしています。中でも今は陶土で造型して、それを焼いて、胡粉を塗って磨き上げ、彩色をするという「土人形」に没頭しています。

陶芸が造型なら、張り子や土人形は立体的なキャンパスに絵を描いていく作業です。これが何とも面白い。日本に古くから伝わる色彩と独特の民芸タッチで描くとなんでも「郷土玩具風」になるんです。ダルマや張り子の虎のイメージをしてもらうと雰囲気が伝わると思います。

その技法で神仏や妖怪を作っていますが、最近はこれまた合間(私は手悪さと呼んでいる)に、子供の頃のヒーローや怪獣・怪人、映画のキャラクターなどを作っています。これがたまらなく楽しいんです。基準は過去の記憶にある「格好いい」「面白い」「怖い」というキーワードを束ねて「手元に欲しい」と思える物を具現する。

昔なら出来た作品を独りで愛でていたと思いますが、今は手軽に世界中の人々に観ていただいて、感想をもらえる時代です。元来、アクティブではないインドア系の私にはたまらないひとときなんです。

この状況を嘆いていても始まりません。他人のことはもちろん気にかけるべきですが、まずは自分……そして家族……届いているであろうと錯覚しているSNSでの愚痴などバラまく前に「今をもっと楽しもう」という意気込みが大切だと思います。

何かをカタチにするという趣味は技を磨き、その先には収入も見えてきます。たいへんな時期ですが、内にこもって楽しく技術を磨き上げる「ひととき」にしてみてはいかがでしょうか?ちなみに小学校を卒業したばかりの末っ子は、私についてプラモデル修業をしていますが、アッという間にすごい作品を仕上げ出しましたよ。

 

◎私の作品はぜひこちらでご覧ください→ 『天野こうゆうInstagram