2020/02/02『おんびんたれ』

よく「ストイックですね」とか「すごく拝まれますね」とか言われます。確かに普通よりは、その密度は濃いかもしれません。また、ほかの行者さんより「人前で語る」ことが多いからその印象が強いのだと思います。ただ単純に「精一杯拝む」理由は尊敬する先輩たちに追いつきたいその一心にほかなりません。

しかし、本当の理由は「おんびんたれ」だからです。おんびんとは倉敷弁で「臆病者、びびり、怖がり」を意味します。子供のころ、ちょっとでも怖がっていると年寄りから「おめぇはおんびんたれじゃのう」と呆れられたものです。私はその代表選手でした。

想像力が(たぶん)他人より長けてたぶん、とにかくなんでもかんでも怖くて、怖くて仕方なかった。そこに不安というシロップまでかけて、すぐに足がすくむんです。そのせいで強気な発言をしてしまうんです。でもこの「おんびんたれ」のおかげで、最初に挙げた印象を周囲が持ってくれているのだと思います。

目に見えない「法力」で人を救う。目に見えないことを「拝む」という作業で収入を得る。こんな怖いことはありません。限られた時間と環境で拝めたとしても、それは果たして効果があるのか?期待や布施に見合った働きが出来ているのか?……ここまでは格好いいでしょう(笑)

でも……本当は……ええ加減なことをやってバチが当たったら嫌じゃなぁ……という小心、おんびんたれの性格がそうさせているのです。それでも30年以上重ねていくと少しは成果が出るもので……星供養はあと一日、明朝もおんびんたれ魂を燃やして拝みます。