2020/02/27『ブラ法話〜東寺編』

今回の個展は基本、京都に滞在していたので、その間に「何か法話イベントをやろう」と心に決めていました。

1つは『弘法さんの寺子屋』と題して、ギャラリーの母屋・ちおん舎さんの広間で「空海さまを語る会」を催しました。発案は京都の方々で「空海弘法大師、弘法さんは別人だと思っていはる人って案外多い」という驚きに応えるものでした。参加者は少なめでしたが、京都ならではのかなりコアなエピソードと霊験を語れたと思います。

そして個展閉幕の翌日、朝9時から東寺ツアーを決行しました。ウィルス騒動で開催を悩みましたが、身体堅固・疫病平癒を祈るお寺で「それを言っちゃおしめぇよ」とあえて強行しました。蓋を開ければ定員をオーバーする大盛況でした。余談ですが……今回の騒動は、疫病というより世間体との闘いのように映ります。自己予防しかなく、それには正しい生活、静養が一番です。マスクがないと騒ぎますが、マスクを着用出来ない仕事もあるのです。またどこかで触れますが、今回の騒動は「人間同士の距離」を問うものであるような気がしてなりません。満員電車も病院の待合いも許容オーバーが当たり前、なにかと莫大な規模で開催する詰め込みイベント、日本家屋が持っていた魅力を捨てて狂った快適思考による密閉空間での生活……どれも行き過ぎからの副作用でしょう。あ、話がそれました。

諸堂を丁寧に巡り、東寺スタッフ・田中さんによる完璧なご案内(東寺の誇る在家の女性スタッフで密教ラブ溢れる情熱派でした!)、そして東寺教学部長・玉野真永さん(神奈川足柄・弘済寺ご住職)によるご法話、それに加えて私が美術・建築・拝む世界からの東寺の魅力を補足させて頂きました。

3時間は長いかもね……という当初の心配はつまらぬ雑念で、始まってしまえばアッという間。うなずきと笑い、そのなかで思わず手を合わせたくなる理想的なご案内が出来たと思います。立体曼荼羅、金堂での薬師如来五重塔のスケールは圧巻で、東京の博物館で拝観した人たちも「伽藍ありきの諸尊」に改めて感動なさっていました。

中でも今回の目玉、小子房(しょうしぼう)観智院は私たちならではの説法をお楽しみいただけたと思います。これだけのボリュームでもまだまだ語りきれていないので、第2弾(6月22日・月))も決定しました。あ、メインはあくまでも私としましては『第3回・天野こうゆう個展in京都』、6月17日(水)〜21日(日)でして……ぜひそちらにお運びいただけたらと願っております。

◎本日は自坊・高蔵寺の『月例不動護摩』です。参拝者には本尊・薬師如来の功徳をもってお加持をした『疫病退散お加持マスク』をお授けいたします。ぜひお参り下さい。

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