2020/02/05『お香で予防』
マスク、マスクと騒がしい今日この頃です。マスクをできない仕事もあるのになぁ……と苦笑ばかりしています。
まだ小僧のころ、先代がお護摩を修した後、お参りのおばさんが「こんな煙たい想いをして何の功徳があるの!」とヒステリックに噛みついたことがあります。確かにその日のお護摩は煙が多かったのは事実……。
すると先代は「このバチ当たりが!仏さんの功徳は何も目に見えぬものばかりではないわ!この煙はお前たちへの処方箋じゃ!そのひねくれた性根、ありがたく燻(いぶ)していただて治してもらえ!」と一喝。私は「ひえーーー!」とただただオロオロしていたことを覚えています。
最近では線香ひとつとってみても化学香料のバケモノみたいなものばかりです。お寺もお坊さんも本当にこだわらない、デタラメが目に、いや鼻につきます。しかし本来のお香やお護摩の供物は和漢方薬に使われるものを儀軌に則って調合したものばかりです。高野山などでそれらを求めようとすると、それは仏具屋ではなく薬屋に置いています。それくらい医学と仏教は密接だったのです。
当寺はどんなに経済的に苦しくても「お香だけは本物を」という口伝があります。でも不思議とそんな状態の前にちゃんと利益が回ってきます。
テレビで石けんでの手の洗い方が流れていました。指先までしっかりと、手の甲から伸ばして、手首まで丁寧に……むむむ、待てよ。それって塗香(ずこう=手に塗るお香)の作法と同じじゃん。
いつも元気そうですね、とよく言われます。いろんな要因はあるでしょうが、お香のおかげもその一つじゃないかなぁと思っています。
◎2月9日(日)は15時から、福岡浄水通Flor-Jamにて「おはなし会」です。目からウロコのご法話をいたします。塗香作法も学べますよ!→ https://bit.ly/2Upjmm0